究極のヴィンテージサウンドを奏でる弦「The Bender」

ヴィンテージ・サウンドの魅力 Vintage Guitars,Vintage Amps,Vintage Pedals... 楽器の歴史は1950〜70年代に黄金期を迎え最高のアイテムが次々と生み出された。その時代に生み出されたものは“ヴィンテージ”と称されプレイヤーからコレクターまで様々な人々から熱い眼差しを送られる事となる。 さらにその中でも“バースト”と呼ばれる一部のレスポールなどはカルト的な人気を博し、数千万円以上の資産価値を持つ場合もある。 ヴィンテージアイテムは増えることがない。つまり、基本的に価格は高騰し続けるという事だ。 サウンドに無関係な付加価値に大金を払うのか? 近年も“Centaur”(ケンタウルス)というコンパクトエフェクターの価格が高騰し続けている。ついに30万円代に突入しようとしている。 これは流石に健全な価格ではない。Centaurの新品価格は7万円程で非常に高額なコンパクトペダルとして有名だったが、その価格に見合う魔法のサウンド(特殊形状の筐体だけでなくミックストーンと昇圧回路など)がそこにあったからこそ人気を博した。しかし今ではその4倍以上するのだ。もはやこれはそのサウンドについた値段ではなく、演奏とは無関係な付加価値についたプレミア価格なのだ。 欲しいものを手にするために大金を支払う事は決して悪いことではない。 しかしそれを買えば、大金を支払えばあなたが欲しいものが本当に手に入るのかをよく考えて欲しい。 あなたがもし“ヴィンテージ・サウンド”を求めるのであれば、なにも大金を支払うことはなくこの弦を使ってみれば良いだけなのだ。 究極のヴィンテージ・サウンドを奏でる弦「The Bender」 このThe Benderを製造するLa Bella(ラベラ)は1960年代頃新品のギターに標準搭載されるような、今で言うところのダダリオやアーニーボールのような存在だった。ロックンロールとは切っても切れない深い繋がりがあるニッケルメッキ鉄製弦のパイオニアだ。 この老舗中の老舗ストリングスメーカーが自社のアーカイブを掘り返し、当時のレシピそのままに再現されるのが“The Bender”(ザ・ベンダー)だ。 正直なところ耐久性には疑問がある。スティール弦が産声をあげた時から各社並々ならぬ企業努力を重ねたことで、今日の切れづらくサビづらいギター弦があるのだから、1960年代と現代とでは工業技術に埋められない差があって当然だろう。 そしてレンジにも問題があるかもしれない。煌びやかな高音から唸るような低音がクイックにレスポンスされる弦ではないだろう。 しかし、膨よかな中域の粘りや豊かなサスティーンは、まさしく本物のヴィンテージだ。 この点は他のどの弦にも出せない別次元のヴィンテージ再現率だと断言できる。 だがそれもそのはず、ヴィンテージを再現するために技術的進歩を逆行しているのだから。最新技術で作られた弦からヴィンテージサウンドが出ていたらむしろ違和感がある。 年代物の線材とハンダで作られたケーブルや、ヴィンテージギターに使われているコンデンサーなど、あらゆるものでヴィンテージサウンドを求めるならば最も直接的に音に影響する、プレイヤーが掻き鳴らすその弦をヴィンテージにしてみるのが一番ではないだろうか。そう考える者は少なくないはずだ。 しかしヴィンテージの弦を使いたいが本当に古い弦は錆びていて使えたもんじゃない。 その長年の命題を解決してくれるのが“The Bender”なのだ。 via THE MUSIC EMPORIUM, La Bella  

自宅でフレットメンテナンスができる便利グッズ「Fret Butter」

一般的に自宅でできるギターのメンテナンスといえば、ネックやボディーをクロスで拭いたり弦交換の際にレモンオイルなどで指板の保湿をする程度で、直接音に関係する部分のメンテナンスは少々ハードルが高い。 ブリッジ一つ調整するのにもそれなりの知識を要するし、ナットの調整ともなればリペアマン同士でも意見が割れるほど奥が深い世界だ。 しかしこのアイテムを使えば、誰でも簡単にフレットのメンテナンスができるのだ。 Fret Butter(フレットバター)/ dmi guitar labs マスキングなど面倒な手間は一切なし 今まではフレット一本一本をマスキングして、コンパウンドで丁寧に磨く作業が必須だった。 それもコンパウンドというものはなかなかに厄介で、フレットと指板の間に隙間があれば入り込み、それが非常に取りづらい。 しかしフレットバターにはマスキングも、面倒な後処理もない。パックを開封したら、特殊なクリーナーが染み込んだ布を取り出して指板ごとフレットに塗るだけだ。 ペグ⇄ブリッジの方向に満遍なくフレットバターを滑らせて、あとは柔らかいタオルなどでゴシゴシと磨く。 この作業が意外と楽しい。白かったタオルがみるみるうちに真っ黒になるのだ、それだけフレットや指板が汚れているということなのだろう。タオルに汚れがつかなくなるまで作業を繰り返したらクリーニング完了だ。 滑らかなフレットの仕上がり フレットが非常に滑らかに磨き上げられ引っ掛かりがなくなるので、ギターを始めたばかりでチョーキングが上手くいかない人には効果抜群だろう。 また、ヴィンテージギターでモダンなプレイをするタイプの人にはぜひ一度使ってみて欲しい。フレットを打ち替えることなくプレイアビリティを著しく向上できる。 ナチュラルでクリアなサウンド フレットは振動の伝達に大きく関係する部分であるため、サウンドがとてもクリアになる。 しかもこれは“わざとらしいクリアなサウンド”とは全く別物の、そのギターが組み上げられた時に持っていた本来のサウンドだ。フレットを打ち替えた時のサウンドの変化ともまた別の、非常にナチュラルなものだ。 有害物質とレモンオイルを含まない たっぷりの研磨剤で汚れを削り落すコンパウンドのような感覚ではなく、どちらかというとシルバーアクセサリーや車のアルミホイールなどを磨く時に使用する“ケミカル系”のような印象をもつフレットバターだが、有害な化学物質などは一切含んでいない。実際使ってみるとわかるが天然成分の甘い香り(いわゆるGibsonの香り)がするだけで人体への刺激全くを感じないのだ。 そして、レモンオイルフリーというのも重要な点だ。 ギターのメンテナンスと言えばレモンオイルという印象になりがちだが、レモンオイルは万能ではない。一時楽器店などのギターメンテナンスグッズコーナーにはあらゆるメーカーのレモンオイルが並んだが、最近はレモンオイルを推奨しないリペアマンも多いのが事実だ。 一度使えば手放せない使い勝手の良さ 使用後は袋に戻してジップを閉じるだけ。後はギグケースにでも入れておけば無くしてしまう心配もない。 オイルフィニッシュまたは塗装されていないメイプル指板には使用できないというデメリットもあるが、1200円程度で20回使用でき、1回60円程度と非常に経済的で効果絶大なフレットバター。初心者も玄人もぜひ一度使ってみて欲しい。 via Sound Service

Gamechanger Audioが常識を覆すドライブペダル「PLASMA PEDAL」を発表

バルト海の真珠ことラトビアの首都リガで革新的なエフェクトペダルを生み出す小さなペダルブランド“Gamechanger Audio”(ゲームチェンジャー・オーディオ)。「Game Changer」とは大変革をもたらす物や人を意味するそうだが、同社はまさにその名の通り今までにない全く新しいアイデアで唯一無二のエフェクトペダルを生み出している。 独創的なアイデアで常識を塗り替えるGamechanger Audioの製品 PLUS PEDAL(プラス・ペダル)をご存知だろうか? 2017年のNAMM SHOWで話題になったサステインペダルだ。 https://www.youtube.com/watch?v=j_R5FuF096g 今までのホールド系のペダルにありがちな不自然さは一切なく弦楽器らしい豊かに広がるサステインが得られる。しかも最新のサンプリングテクノロジーによりレイテンシ(デジタルオーディオの宿命である音のわずかな遅れ)もほとんど感じられないレベルだ。それでいてピアノのサステインペダルをモチーフにしているあたり、ウィットに富んでいる。 そんなセンスと技術を持ち合わせたGamechanger Audioが待望のドライブペダルをNAMM 2018で発表した。 キセノンガスに放電させて歪ませる前代未聞のディストーション「PLASMA PEDAL」 ギターからの信号を内部トランスで3500Vに昇圧し、キセノンガスが充填されたガラス管の中に送り込み放電(スパーク)させる。そしてそのエネルギーを再びアナログオーディオ信号に変換しアウトプットするという新発想のクリッピング方式だ。 長年大きな変革がなく飽和状態にある“歪み”のジャンルにブレイクスルーが起きるかもしれない大発明だ。 https://www.youtube.com/watch?v=IIUL8VET2kI サウンドは、ディストーションというよりは少しファズ寄りで反応が良く実に音が太い。 ナチュラル・ノイズゲート 構造上、送り込まれるオーディオ信号が小さくなりキセノンガスに放電しない電圧になると音が切れる。つまりこれは天然のゲート効果が得られるという事だ。 不自然なゲートの挙動を楽しむクレイジーなファズもあるが、PLASMA PEDALはその点非常に音楽的で、プレイヤーの人間的な感覚に寄り添うごく自然なフィーリングだ。 ユニーク・ハーモニック・サチュレーション キセノン放電のメリットはゲートだけではない。 3500Vに高圧縮され放電することにより、今までのドライブペダルやアンプとは異なる性質の倍音を持つのだ。 高調波のニュアンスが大きく変わるらしく、同社は「鋭い倍音が得られる」と表現しているがこれは発売後に自分の耳で確かめるしかないだろう。なにせ全く新しい歪み構造なのだから。 スパークさせるのはギターだけじゃない プラズマペダルは主にギターでの使用を前提に作られているが、電子音やヴォーカルなどでもオーディオ信号であればスパークサウンドにすることができる。 https://www.youtube.com/watch?v=yZ2psOu9vkE&feature=youtu.be オーディオデータをステレオではいて2台のプラズマペダルで別の歪み方をさせて戻す、なんて使い方も面白いかもしれない。 PLASMA PEDAL の発売時期と購入方法 執筆時点ではアメリカ最大手のクラウドファンディングサイト“INDIEGOGO”(インディー・ゴー・ゴー)で予約購入が可能だ。 早期購入特典の56%OFF(1台約14,000円程度)は終わってしまったが、23%OFFで買えるプランなどが残っている。今購入すれば2018年の11月頃に届くそうだ。 現在既に3000万円以上の資金調達に成功していることから、世界中が注目していることがわかる。 今後もGamechanger Audioが革新的なアイデアと冴え渡るセンスでペダル業界を賑わせてくれるだろう。 via Gamechanger Audio

日本未発売 最新エフェクト・ボード特集

近年のエフェクト・ボード(ペダルボード)の進化はとどまる所を知りません。一昔前はARMOR(アルモア)かPulse(パルス)と言った頑丈なFRPケースが主流でしたが、ユーザビリティの点での課題は少なくありませんでした。その後電源スペースと配線の問題を一気に解決するPedaltrain(ペダルトレイン)が登場し、さらにはTemple Audio Design(テンプル・オーディオ・デザイン)がエフェクターを固定する新たな方法を提案しました。 日本ではまだFRPケースが主流ですが、すでにエフェクト・ボードのブレイクスルーが起きたかのように群雄割拠となっている欧米より、一足先に最新ハイテクボードの数々をご紹介いたします。   最新エフェクト・ボード 10選(日本未発売含む)   FRIEDMAN / Tour Pro 1520 最近コンパクトエフェクターが好評なFRIEDMANからは取り外しが可能な2層の鉄板によって構成されるボードです。 さらにワウペダルやボリュームペダルなどもピッタリとフィットする機能的デザイン。   MONO / Pedalboard Medium 高品質なギグケースで有名なMONO(モノ)からはルーティングや配線をよりコンパクトにまとめるためのデザインをアルミの削り出しによって形にした軽量で頑丈なボード。シンプルなデザインでエフェクトの切り替えを邪魔しません。   VOODOO LAB / Dingbat PX 日本では地名度が今ひとつですが海外では質実剛健な作りですでに高い評価を獲得しているVOODOO LAB(ブードゥー・ラボ)からはどんなパワーサプライもシームレスに統合できるボード。 36のプリセットを設定できるVoodooのペダルスイッチャー、PX-8 PLUSが搭載されています。   TEMPLE AUDIO DESIGN / TRIO 28 もうエフェクターがずれることも剥がれ落ちることもなくなります。独自のペダルプレートシステムでマジックテープとおさらば!別売りの専用プレートによってエフェクターの付け替えもスムーズに行えます。   ACLAM GUITARS / Smart Track S2 大事なエフェクターを傷つけたくない人もこのボードなら大丈夫。 特殊なゴム製のファスナーで楽にエフェクターを固定でき、さらに角度の調節も自由自在。   BLACKBIRD...

ネック調整は機械化の時代へ。君はもう「PLEK」を試したか?

超高精度ネックスキャニング&リペアマシン「PLEK(プレック)」 ギターの歴史、それは常にネックの問題との戦いの歴史だ。 ネック自体の順反り・逆反り・捻れ、指板の波打ち、フレットの減り・仕上げ、トラスロッド調整など… ネックとはその名の通り、常にギターの不調のボトルネックになっている存在だ。 木材が生まれ持った個性が、いつ出てくるのかは誰にもわからない。だからこそギターメーカー各社は徹底したシーズニングを行い、それだけでなく、真空状態で木材を焼き上げる「ロースト加工」や、湖の底に100年以上も眠らせた木材「タイムレスティンバー」など、あらゆる工夫を惜しまないのだ。   また、ネック自体が健全な状態だとしてもプレイヤー達の要求はそれにとどまらず「もっと弦高を下げたい」、「フレットを尖らせろ・平らにしろ」、「指板をなるべく削らずにフレットの擦り合わせをしろ」など、リペアマンの悩みは尽きない。   しかし、そんなプレイヤー達の無茶な要求がリペアマンの腕を磨かせてきたのも事実だ。   今では伝説となったプレイヤー・アーティスト達の要求に応えるべく磨かれた技術が受け継がれ、今日の偉大なリペアマン達を育て上げたのだ。 その偉大なリペアマンの一人、Joe Glaserはすでに名高いリペアマンであるにも関わらず、このPLEKに多額の投資をした。この事実自体が、PLEKがいかにリペア業界の革命になり得るものなのかを物語っている。   ネックのリリーフと調整「PLEK SCAN」とそれを元にした調整   PLEKは、弦を張った状態で、楽器に起きている全ての事象をデータ化するため、それらの条件に対するベストな擦り合わせを行いますので、例えば、ネックに癖が出ていたりする場合や、変則チューニングでも、一切の問題なく、最適な状態を創出することが可能になっています。 まっすぐなネックに対して、フレットの頂点で直線を出すという調整をすることは機械ですから決して難しくありませんが、バズ(ビビリ)の量は、ネックのリリーフ(反り)によって決定される為、表面的に完全な状態ではあっても、バズの回避という点では、依然として楽器、ならびに弾き手にとっては不完全なものとなります。 その為、PLEKでは、それぞれの弦ごとに最適なクリアランスを検出し、実際にそれぞれのフレットの高さを微妙に変化させつつ調整していきますが、これは人の手で行おうとすると気の遠くなる、膨大な時間と労力が必要でしょう。 Sleek Elite   弦を張った状態、つまり実際にプレイする際と同じ状態で計測するPLEK SCANを元にし、全てのフレットをバラバラに調整する。これはもやは人間には到底できない作業であるのが明白だ。 ヴィンテージギターのオーナーならば必ずと言っていいほど経験する、フレット擦り合わせおよび打ち替えの際の好ましくない音色の変化。これはヴィンテージギターとその音に魅せられている者にとっては死活問題だ。このような極力指板やフレットを削りたくないが、調整しないことにはバズ(ビビり)やチューニングの不安定さに目を瞑れない状況の場合特に効果を発揮するだろう。   カルテの如く連続するデータが調整の鍵を握る PLEKをすでに導入しているリペアスタジオでは、少々高価(と言っても1万円から2万円程度)なPLEKによる調整を行わず、スキャンだけを行う顧客が増えているそうだ。 その理由としては、医療機関でいうカルテの如く、精密な診断記録をメンテナンスごとにとっておく事で、そのネックが持つ癖を把握し、調整の際に活かすことができるからだ。 何が原因で弾きづらいのか、より正確なチューニングにするにはどこでバランスを取るのが好ましいのかなど、把握しづらい問題点を、熟練のリペアマンのようにその楽器と対話するかの如く理解できるのだ。 これはギター工房「弦」でも行われているサービスで、同工房が顧客から確かな信頼を獲得していることが診断記録の連続性の重要さを表す何よりの証拠となっている。   現時点でのPLEKの立ち位置 現在PLEKが導入されているリペアスタジオとそうでない所とで、ネック調整の仕上がりに歴然とした差があるわけではない。(もちろんヴィンテージギターなど特殊な理由で手を加える箇所を最小限にしたいケースを除くが) というのも、長年経験を積んできた職人達は木材と容易に対話し、季節ごとの発現される楽器ごとの特性や癖などをすでに十分に上手くいなしているのだ。これは一朝一夕にできる技ではないが、日本には優秀なルシアーやリペアマンが数多くいる為、その作業が余所で機械化された程度では工房の評価や存続などには影響してこない。 それどころか優秀なリペアマンはそこに通うプレイヤー一人一人が、どのようなセットアップでどのような出音を期待しているのかを把握している為、機械にはできないオーダーメイドなアプローチが可能なのだ。   PLEK、その効果を最大限に発揮するには PLEKのメリットの一つとして、使用者の熟練度による仕上がりの差がないことが挙げられる。 しかしこれは、PLEKによる計算上最も良いセットアップに統一されることに他ならず、プレイヤーが求める全て(出音も含む)が叶っているわけではない。 つまりPLEK(プレック)がその能力を最大限発揮し、プレイヤーに対して最高のギアとなるのは、熟練のリペアマンがPLEKを使用した時なのだ。 これはPLEKの特性を考えると非常に贅沢なことだが、最高のプレーを求めるならば贅沢はつきもので、CNCルーターで大量生産したギターよろしく、ある程度の作業を機械化した所で未だに最終工程には人間の手が必要なのだ。 しかし他の角度から見てみればこれは、機械的に行うべき作業もしくは人間には不可能な作業を機械が代理で行うことで、熟練した人間が行う作業にさらなる正確さや素早さをプラスすることができるということなのだ。   CNCルーターのように普及するのか、今後のギターリペアの進歩はいかに。 今後PLEKがCNCルーターのように多くの工房に普及していった場合、PLEKによって計測したデータが工房同士でやりとりできるようになり、気に入っているギターのネックグリップをオーダーで再現する際にネックを何ヶ月も預けるようなことはなくなるだろう。そして、調整と木工・塗装などを都内と郊外の拠点で分けて行なっている工房なども、よりスムーズな顧客とのコミュニケーションが可能になるだろう。 ヴィンテージギターの価格は年々高騰し、塗装はラッカーではなくなり、ローズウッドなど今まで当たり前のように使用されていた木材は新たな条約の影響で希少なものとして扱われ始め、ギターの黄金期とは随分とかけ離れた時代になった。 しかし、その分CNCルーターの普及、薄く丈夫な塗装技術、マルチスケールフレッティング、パワフルなアクティブサーキット、果ては自動チューニング機能やシンセサイザー内蔵ギターなど、確かな進歩を遂げているのだ。 我々は古き良き時代を羨む必要はない。 なぜならその時代の人々が憧れてやまない最新技術の恩恵を、存分に享受することが出来るのだから。

日本が誇るサムライギタリスト「MIYAVI」の使用ギター遍歴

サムライギタリストの並々ならぬこだわり 1981年9月14日生まれのシンガーソングライター・ギターリスト「MIYAVI」。ピックを使わずにギターを叩くように演奏するスラップ奏法で名を上げた通称"サムライギタリスト"。 via: Instagrammer News ルーパーを使用しての一人多重演奏と、スピード感あふれるパーカッシブなスラップ奏法を巧みに操り、30ヶ国以上を回る4度のワールドツアーを成功させた彼は、自身が使用する機材にもやはり並々ならぬこだわりを持っています。 通常アーティストではなく舞台袖のローディーやPAが行う作業までリアルタイムで演奏しながら一人でこなし、ギターのサウンドを足元のエフェクターでループし多重録音・再生するだけでなく、KAOSS PADという特殊なタッチパッド付きのエフェクターを使い音色を変化させたりしてしまいます。そんな彼はギターに関して、あまりフレキシブルに曲ごとに使い分けるようなタイプではなく、むしろ自分の相棒かのように決まったものを使うタイプなのですが、最近その相棒とも言えるギターに変化があったので、彼の音楽性の変化とともにその理由を読み解きながら時系列にご紹介しようと思います。 Taylor T5 via: VKH PRESS アメリカのアコースティックギターシェアNo.1ブランド「Taylor(テイラー)」の最も特徴的なモデルT5。 MIYAVIといえばT5、T5といえばMIYAVIのイメージの方も多いのではないでしょうか?MIYAVIがデビュー当初からもっとも長く使用しているギターです。アコースティックギターともエレクトリックギターとも言える独特のアイコニックなデザイン、ネックジョイント部とブリッジ側のスタックハムの2種類のハムバッカーとDYNAMIC BODY SENSORという特殊なピエゾタイプのピックアップを持ち、5WAYスイッチにより幅広いサウンドメイキングを可能としています。 MIYAVIはアコースティックギターを使う際はTaylor 616ceを使い、何度もTaylorの本社工場を訪れるなどTaylor社との交流が深く、エンドース契約が切れる以前には幾何学模様のシグネイチャーモデルも製作されていたようです。 デビュー当初からのMIYAVIの最大の武器である全弦1音下げ、6弦解放のDのコードで繰り出される超絶スラップは、T5の構造上のアドバンテージ(ピックアップとピックガードの位置関係が、プルとサムピングの動作を詐害しないようフラットで広く用意されている)があってこそのものでしょう。 LsL INSTRUMENTS T-Bone シリーズ 長年使い続けてきたT5に別れを告げたMIYAVIが次に選んだのはテレキャスタータイプでした。 この頃(8thアルバム"The Others")から、これまでの一見完成されていたようの見えるMIYAVIの音楽性に変化が見られます。 これまでのアグレッシブでパーカッシブな”絶対スピード主義”とも言える複雑で込み入ったテクニカルなサウンドから、より大きなステージを意識したシンプルでマッシブ、何よりもリスナーの心の芯に響くサウンドへと進化を遂げます。 アメリカで現地のディーラーと共に数多くのギターショップを巡り、相当な量のギターを弾いた中で彼が選んだのは本家Fenderではなく、Fenderのヴィンテージタイプを元に一本一本クラフトマンの手作業で作られる「LsL INSTRUMENTS(エルエスエル・インストゥルメンツ)」でした。 本人曰く、 “より聴く者のハートに近いサウンドを出せるのが、テレキャスターだった” そうで、長年の相棒との別れに多くの不安を抱えながらもソリッドギターの始まりでもあるテレキャスターを次の相棒として迎えたようです。 MIYAVIが使用していたLsLのテレキャスタータイプのブラックとホワイト2種類を、見た目以外の微妙な仕様の差を含めてご紹介します。 T-Bone Maple Custom (Black/Charlie Christian P.U) via: SXSW.com フロントピックアップに採用されているLollar社のCharlie Christianと、T5同様のブラックを基調とした端正なルックスが特徴です。なぜ今までこのカスタムが流行らなかったのかと疑問に思うほどテレキャスターのフロントにぴったりのCharlie Christianから発せられるファットで抜群のサスティーン感のサウンドは8thアルバム「The Others」で聴くことができます。 T-Bone Maple...
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