米大手ギターブランド”Gibson”(ギブソン)とは

ギター好きなら誰でも、ギターが弾けなくとも音楽が好きな人なら知っているであろう超有名楽器ブランド”Gibson”(ギブソン)。その歴史は長く、ソリッドギター(テレキャスターなど、ボディに空洞部分が少なく箱鳴りのないギター)の創世記から今日までFender(フェンダー)と肩を並べてエレキギター界の頂点に君臨し続けている。(もっと言うとミッドウォーのアコギすら存在するほどだが。)

 

エレキギターが売れない?

その歴史ある名門ギブソンがなんと今、倒産の危機に瀕していると言うのだ。

via:Sound Note

なんとも信じ難い話だが、近年のエレキギター業界の不振は相当なもので、Fenderも多額の負債を抱えているし、業界第3位のブランドPRSも人員削減や廉価モデルの販売を余儀なくされているのが現状だ。

ではなぜこのような事態になっているのか、そこには音楽的なムーブメントが大きく関係しているようだ。

そう、EDMの大流行だ。

via: THE LOS ANGELES FILM SCHOOL

 

EDM、つまり電子音楽の流行は、若者たちの憧れる先をギターではなく別のものに向けさせてしまっている。

via:Festicket

それはDJの名前が付いたヘッドホンであったり、MIDIコントローラーであったり、ラップトップであったり、オムニスフィアであったり、とにかくクールでドープなDJプレイをブチかますのに必要なものだ。

via:Ali Express

 

若者がジミ・ヘンドリックスに憧れている時代はとっくに終わっているのだから、ギターが売れないのも頷ける。(エド・シーラン効果で少しは売れてもいいものだが…)

via:DAILY NEWS

オーディオ業界にも進出!?

2015年には日本の老舗オーディオメーカーであるONKYO、TEAC、Pioneerを傘下に、絢爛豪華なモニタースピーカーを出してみたりもしている。

via:Rolling Stone

もちろん昨今のオーディオ業界がそんなに甘いはずも無く、特にニアフィールドモニターと呼ばれるリスニングポイントが比較的近距離に設定されているスピーカーの市場はDTMの普及と共に激化しているため、全く爪痕を残すことなく撃沈した。(一部のマニアは喜んだようだが)

 

メンフィス工場売却の失敗から学ぶ

ギブソンのCEOが「期待するほどの成功を収めていない事業を我々はマネタイズしてきています。これらの資産のマネタイズによって我々は負債を減らし、活況な事業に充てるための資金を生み出すことができます。」と述べているようで、ついにギブソンには、やるべきこととそうでない事の分別をつけなければいけない時が来たようだ。

各社と限定カラー限定モデルの応酬を繰り広げたり、楽器店が”ちょいキズ特価”にしないと売れないようなアーティストモデルばかり出したり、トラディショナルなブランドイメージからはかけ離れた便利機能てんこ盛りのびっくりギターばかり出していると、メンフィス・ファクトリーを売却することになる。

世界中から愛され続けるギブソンがこのような事態になっていることは非常に悲しいことだ。芸術と商業の両立はいつの時代も難しいものだが、ぜひギブソンには過去の失敗から学んだものを武器にこの不況を耐え抜き、いつの日か大復活を遂げて欲しいものだ。

NEAR
特集記事とニュース記事を得意とする謎多きライター。趣味はアコギの弾き語りで最近のブームは一周回ってNIRVANA。彫金を嗜み、和菓子づくりの腕はプロ並み。最近突如として発症した犬アレルギーと格闘中。