バルト海の真珠ことラトビアの首都リガで革新的なエフェクトペダルを生み出す小さなペダルブランド“Gamechanger Audio”(ゲームチェンジャー・オーディオ)。「Game Changer」とは大変革をもたらす物や人を意味するそうだが、同社はまさにその名の通り今までにない全く新しいアイデアで唯一無二のエフェクトペダルを生み出している。

独創的なアイデアで常識を塗り替えるGamechanger Audioの製品

PLUS PEDAL(プラス・ペダル)をご存知だろうか?

2017年のNAMM SHOWで話題になったサステインペダルだ。

今までのホールド系のペダルにありがちな不自然さは一切なく弦楽器らしい豊かに広がるサステインが得られる。しかも最新のサンプリングテクノロジーによりレイテンシ(デジタルオーディオの宿命である音のわずかな遅れ)もほとんど感じられないレベルだ。それでいてピアノのサステインペダルをモチーフにしているあたり、ウィットに富んでいる。

そんなセンスと技術を持ち合わせたGamechanger Audioが待望のドライブペダルをNAMM 2018で発表した。

キセノンガスに放電させて歪ませる前代未聞のディストーション「PLASMA PEDAL」

ギターからの信号を内部トランスで3500Vに昇圧し、キセノンガスが充填されたガラス管の中に送り込み放電(スパーク)させる。そしてそのエネルギーを再びアナログオーディオ信号に変換しアウトプットするという新発想のクリッピング方式だ。

長年大きな変革がなく飽和状態にある“歪み”のジャンルにブレイクスルーが起きるかもしれない大発明だ。

サウンドは、ディストーションというよりは少しファズ寄りで反応が良く実に音が太い。

ナチュラル・ノイズゲート

構造上、送り込まれるオーディオ信号が小さくなりキセノンガスに放電しない電圧になると音が切れる。つまりこれは天然のゲート効果が得られるという事だ。

不自然なゲートの挙動を楽しむクレイジーなファズもあるが、PLASMA PEDALはその点非常に音楽的で、プレイヤーの人間的な感覚に寄り添うごく自然なフィーリングだ。

ユニーク・ハーモニック・サチュレーション

キセノン放電のメリットはゲートだけではない。

3500Vに高圧縮され放電することにより、今までのドライブペダルやアンプとは異なる性質の倍音を持つのだ。

高調波のニュアンスが大きく変わるらしく、同社は「鋭い倍音が得られる」と表現しているがこれは発売後に自分の耳で確かめるしかないだろう。なにせ全く新しい歪み構造なのだから。

スパークさせるのはギターだけじゃない

プラズマペダルは主にギターでの使用を前提に作られているが、電子音やヴォーカルなどでもオーディオ信号であればスパークサウンドにすることができる。

オーディオデータをステレオではいて2台のプラズマペダルで別の歪み方をさせて戻す、なんて使い方も面白いかもしれない。

PLASMA PEDAL の発売時期と購入方法

執筆時点ではアメリカ最大手のクラウドファンディングサイト“INDIEGOGO”(インディー・ゴー・ゴー)で予約購入が可能だ。

早期購入特典の56%OFF(1台約14,000円程度)は終わってしまったが、23%OFFで買えるプランなどが残っている。今購入すれば2018年の11月頃に届くそうだ。

現在既に3000万円以上の資金調達に成功していることから、世界中が注目していることがわかる。

今後もGamechanger Audioが革新的なアイデアと冴え渡るセンスでペダル業界を賑わせてくれるだろう。

via Gamechanger Audio

Ram's Head
DEEP DIVER編集部の中で最も機材愛が深い男。作曲や編曲などの仕事もしているらしいが本人曰く“新しい機材を使いたいだけ”とのこと。大の犬好きで、猫アレルギー。好きな音楽のジャンルは特にないが、好きなトランスは“Marine Air”だそうだ。編集部にはまだこの男と話が合う者はいない。