第三のブランドPaul Reed Smith(ポール・リード・スミス)

フェンダー、ギブソンに並び現在のギター界になくてはならない存在といえるハイエンドブランドPRS。もはや芸術品とも言えるその美しすぎるルックスと人間工学に基づいたプレイアビリティ、そこから奏でられる独特のサウンドは多くの人々を虜にして止まない。

しかし、その代償として必然とも言える実勢価格の高さが購入時のハードルとして待ち構えているのも事実だ。もちろんその価格自体がブランディングをさらに助長し、手に入れた者だけが感じることができる優越感を高めている側面もある。

最高のPRSとは

Fenderに”ビルダー物”と呼ばれるシリーズがある様に、Gibsonに”True Historic”がある様に、世の大手ギターブランドは大抵”Custom Shop”的なハイエンドシリーズとその他の”中〜低価格帯の商品”を大きく差別化している。

via:Private Stock Gallery

さらにFenderやPRSはその中でもいくつかのランクを設けており、その多くは、最高位のクラフトマンがどれだけ直接的に製作に携わったかでランク分けされている。Fenderであれば”シニアマスタービルダー、故ジョン・イングリッシュ製作のストラトキャスター”などというと、もはや現行品最高のギターであることの証明の様なものだ。そしてPRSにとってのそれは”Private Stock”だ。

Private Stock(プライベート・ストック)

“個人的に保管する”という意味を持つこのネーミングは、他社には到底用意することのできない(あるいはできたとしてもアーティストなどの身内の分が精一杯の)最高級の木材をオーナーの思うままにカスタマイズして製作される最高に贅沢なギターであるが為に、作り手が”本当は手放したくないほど素晴らしい木材”であることを表している。昨今の木材に関する規制は相当なもので、美しい杢目のワンピースメイプルトップや、ハカランダネックなど明らかに他社では実現できず、それを鑑みるとPRSが保有する木材のレベルはおそらく業界最高水準であると考えられる。

つまり、Private Stockは現行品のギターの中で最高の木材を使用していると考えて概ね間違っていないのだ。

当然そんなギターがお手頃価格なはずもなく100万円以上が当たり前、キッズは愚かプロミュージシャンでさえもなかなか手が届かず、裕福なコレクターの自宅の豪華絢爛なショーケースに入るのがほとんどだそうだ。

via:GUITAR GUITAR

しかしPRSがコレクター向けに製作している一部の商品を除き、ほとんどは楽器本来の目的である”演奏する”ことを前提に作られているため出音も最高水準で、最近では現代の3大ギタリストの一人であるJohn Mayer(ジョン・メイヤー)などもそのサウンドに惚れ込んでメインで使用している。

via:Private Stock Gallery

最高のギターを手に入れる

前置きが長くなってしまったが、本題に入ろう。

このビンテージギター並みの超高額なギターを本気で手に入れたいのならば、ある程度の出費は覚悟して欲しい。

激安とはいえ中古車くらいの値段にはなってしまう。しかし、新車が買えるほどの価格のギターを中古車程度の金額で、ほぼ新品と遜色ない状態で手に入れる方法があるのだ。

 

 

Private Stockを激安で手に入れる具体的な方法

“ほぼ新品”と言った通り、そう、中古(ワンオーナー)で購入するのだ。

しかし、中古楽器における不安要素

  • 前オーナーの保管状態が悪くネックなどの状態が悪い
  • ザグリなど取り返しのつかないカスタムが施されている
  • ぶつけた傷やシールの跡などがある
  • ハードに使用されていてナットやフレットが消耗している

などはほぼ考えられない。

それはなぜか、一つずつ説明しよう。

  • 自分がオーダーして何ヶ月〜何年も待ってやっと手に入った数百万円のギターをぞんざいに扱う者はほとんどいない。
  • そもそも自らオーダーしている為、購入後にカスタムする必要がない。(オーダー時にカスタムすることができる)
  • 芸術品とも言える美しいルックスが故にレギュラーラインのPRSの中古品でさえその手の問題は少ない。
  • ほとんどの購入者が演奏よりも鑑賞が主な目的である為、ハードな使用自体考えづらい。

さらに、大手楽器店関係者曰くPrivate Stockの中古品自体見つけるのが困難ことは事実だが、そのほとんどがワンオーナー品(売却した本人がオーダー主)であるそうだ。

via:Private Stock Gallery

プロギタリストの体験談

具体的なカスタム内容やシリアルナンバーなどは本体を特定できてしまう為ここには書けないが、実際に上記の方法でPrivate Stockを購入したミュージシャンの例を挙げよう。

ファーストオーナーが、185万円でオーダーしたPrivate Stockを、本体にはフレットの減りどころかわずかな擦り傷すらなく、オーダー書類など全ての付属品が揃った完品の状態で66万円で購入したそうだ。

売買の担当者を含め誰もが新品との区別がつかない状態で約3分の1の価格で購入できたそうだ。

正直こうなるともはや高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれなのかもしれないが、Private Stockの購入を本気で考えている人間にとっては目から鱗であるはずだ。

 

一体どうしてここまで値段が落ちるのか?

一言で言えば、ファーストオーナーと言う付加価値。これに執着があるかないかだ。極端に言えば物理的な違いはオーダーシートにシグネイチャー(署名)が入るかどうかの差だけだ。

執着があるのならばあなたはコレクター。たくさんお金を稼いで高額なギターを買って、飽きたら売るといい。

執着がないのならばあなたはプレイヤー。コレクターがほとんど新品のまま中古市場に流したギターを買って存分に弾き倒すといい。

 

車で言うところの登録済み未使用車がキレイでおトクに買えるシステムと似ている。コレクターもプレイヤーも、お互いが何を大切に思っているのかを理解し賢く買い物をすることが一番大事なのだ。

Ram's Head
DEEP DIVER編集部の中で最も機材愛が深い男。作曲や編曲などの仕事もしているらしいが本人曰く“新しい機材を使いたいだけ”とのこと。大の犬好きで、猫アレルギー。好きな音楽のジャンルは特にないが、好きなトランスは“Marine Air”だそうだ。編集部にはまだこの男と話が合う者はいない。