あるときはロックバンドの荒々しさを際立たせ、またある時は映像ディレクターのアイデアを解き放つキャンバスとなる「白ホリゾント(白背景)」スタジオ。

背景が「白」つまり演者以外の視覚情報がないゆえに、美しいものは美しく、そうでないものもまたあるがままに映し出し、ある意味撮る側と撮られる側の両方の実力をあらわにします。

今回はそんな”白ホリ”で撮影された白い背景の名作ミュージックビデオたちをコメント付きでご紹介します。

ONE OK ROCK / 完全感覚Dreamer

白背景MVといえばこれ!という人も多いのではないでしょうか?今や世界ツアーを回るロックバンドワンオクのメガヒットソング。初期のワンオクが持つ尋常ならざる勢いをそのまま形にしたようなミュージックビデオです。


凛として時雨 / Telecastic fake show

高速で繰り返される左へのパンが凛として時雨のスピード感を巧みに表現しているMVです。ピエール中野のカウント前の不思議なリズムの取り方にも注目。


Pay money To my Pain / PICTURES

撮影に必要なレールやケーブル、照明機材などは通常なるべく画角から外しておくのですが、それらをそのまま映す事により逆に気取らずシンプルにかっこよく見せる。PTPの良さが真っすぐ伝わる秀逸な作品です。


another sunnyday / ユーグレナ

今年2月に活動休止を発表したアナサニから一曲。画面の左上と右下に曲の構成や演奏パートなどが表示され、ダビングされた本数分のメンバーが現れる奇抜な編集が印象的です。


The BONEZ / Place of Fire

RIZEのJESSEがヴォーカルをとるストレートなロックバンドThe BONEZのセトリ常連曲。イントロからリフにかけてのスピード感の変化が楽曲と完璧にマッチしていて、一気に曲に入り込めます。


THE ORAL CIGARETTES / エイミー

映画「亜人」のタイアップ効果もあってか絶賛人気爆発中のオーラルの割と初期の楽曲です。ドラマ調でないミュージックビデオでここまで切なさを表現できるのはやはりヴォーカル山中の才能でしょうか。


04 Limited Sazabys / escape

一瞬でチャートを駆け上がり、もはやフェスを主催して毎年大成功させるほどのビッグネームとなったフォーリミより、めずらしくダークでクールな一曲。終始かけられている寒色のフィルターと、メンバーの背後に写るフリッカー(テレビ画面をビデオカメラで撮影する際にカメラのシャッタースピードとテレビ画面のフレーム数がズレた時に生じる縞模様)が特徴的です。


BLUE ENCOUNT / HALO

ブルエンの人気に火をつけた一曲。最低限の編集で初期ブルエンの魅力を100%引き出した洗練された無駄のない作品です。映像ディレクターは独特の光の入れ方を持ち味にストレイテナーなど多くのメジャー作品を手がける小嶋貴之氏です。


ストレイテナー / シーグラス

水面に反射したように淡くゆらゆらと差し込む光が楽曲の切なさをそのまま表現していて、作曲家ホリエアツシの描く世界観に寄り添ったような作品です。


THE PINBALLS / tenbear

ガレージロックを貫くTHE PINBALLSの最初期の一曲、どシンプルな演出がどシンプルな彼らのスタイルとマッチしているクールなミュージックビデオです。


The Birthday / 夢とバッハとカフェインと

あのミッシェルガンエレファントのフロントマンだった生きる伝説チバユウスケが、むしろ今になって若手が好んで使う白背景を選択した意味とは…しかしなんとも渋い仕上がりです。


椎名林檎 / NIPPON

サムライジャパンの為に書き下ろされた椎名林檎デビュー15周年節目の一曲。バックギタリストの真ん中側はなんと元ELLEGARDEN、現NCISのギタリストの生形真一です。


Blankey Jet City / Sweet Days

椎名林檎さんがグレッチでぶたれたい”ベンジー”こと浅井健一率いるブランキーからこの曲。彼の魅力を伝えるのにはもはや色など必要ないようです。


Nothing’s Carved In Stone / Out of Control

元ELLEGARDENのギタリスト生形真一とストレイテナーのベーシストひなっち、この2名のビッグネームが仕掛ける技巧派ロックには、ミュージックビデオ界の巨匠「フカツマサカズ」のディレクションが相応しいようで、最高にクールで非の打ち所のない仕上がりとなっています。


[Alexandros] / ワタリドリ

アレキサンドロスの言わずと知れた大ヒットナンバー。白ホリ演奏シーンとドラマ部分が上手く調和された青春の一曲です。[Champagne]時代からの恒例の本編終了後の映像も素敵です。


MIYAVI / The Others

日本が誇る”サムライギタリスト”MIYAVIが世界に向けて放った一曲。弦の揺れまで捉えるハイスピードカメラを駆使した映像美には圧巻です。


SPYAIR / イマジネーション

テレビアニメ「ハイキュー!!」のタイアップ曲。スポーツマンの飛び散る汗と熱い青春を歌う歌詞がリンクする、がんばる人の為の力強い応援MVです。


SiM / KiLLiNG ME

SiM史上最大のキラーチューン。激しく展開する演奏シーンだけでなく、青リンゴと自分の影をめぐるストーリーの意味を考えてみるのもおすすめです。


9mm Parabellum Bullet / The Revolutionary

題名通り革命的なかっこよさです。注目すべきはメンバーの激しい動きと、照明さんの激しい仕事です。作る側と映る側とがお互い120%の仕事をしている名作MVです。


フジファブリック / 若者のすべて

頭上に横たわる大きな壁は若者が抱える閉塞感を表しているのでしょうか、それとも志村さんが感じていた抗えない大きな苦悩を…

深く考えさせられるミュージックビデオです。


andymori  / 革命

ほとんどずっと同じ画なのにも関わらず飽きることなく最後まで見てしまう。余計なことをしないからこそ、より強くandymoriの魅力を表現できたのかもしれません。


シンプルがゆえの魅力

いかがでしたでしょうか?予算の少ない若手ロックバンドの熱量を伝えるのにも、圧倒的なカリスマ性を表現するのにも最適な白背景ミュージックビデオ。

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NEAR
特集記事とニュース記事を得意とする謎多きライター。趣味はアコギの弾き語りで最近のブームは一周回ってNIRVANA。彫金を嗜み、和菓子づくりの腕はプロ並み。最近突如として発症した犬アレルギーと格闘中。