オーディオアンプに求められるものは高音質や低価格だけではありません。オーディオエレクトロニクスを愛する者たちは、そのギアのデザインやマテリアルにも強いこだわりを持ち、時にはインテリアとしての“質感”や“佇まい”も重要な要素となるのです。

オーディオ製品のデザインには様々なパターンがあり、パワフルなスペックを強調した未来的なデザインや古き良きレトロプロダクト、無骨なインダストリアル系やメッセージ性の強いアーティスティックなデザインなど多岐に渡ります。またそのデザインには必ず意味があり、デザインとサウンドが共鳴しているものや敢えて真逆に設計されているものなど様々です。

そんな中から今回はサウンドにもルックスにも拘り抜いたビルダーの魂を感じる傑作オーディオアンプをご紹介したいと思います。

AEvilMike’s / K-12G Amplifier MOD

S-5 Electronics / K-12GをCoppersteam Labs所属 Aevil氏がカスタムしたモデル。溶鉱炉のような雰囲気を醸し出す妖艶な銅の輝きとむき出しの真空管がただのスチームパンクとは一味違う特別な温かみを演出しています。

Moth Audio / Sphinx Balanced Line-Out Amp(左) & NiteLite with 15E Radar Tube(右)

1996年から2007年にかけて数多くの優秀なオーディオ製品を世に送り出したMoth Audioの筐体デザインは多くのデザイナーに影響を与えました。Moth Audioの「レトロスタイル」という枠に収まらない特徴的なデザインはビクトリア時代のデザインから受けたインスピレーションが顕著に現れています。

Hilltree Productions / Steampunk Doomsday Machine

Hilltree ProductionsのPeter Groenewoud氏製作の特殊なエフェクトボックス。2つの電球をDC230Vの電力が通過する非常に独特で危険な回路のため、氏は回路図を公開していないそうです。

Frank Cooter’s  / Steampunk-Styled Headphone Amp

2012年のHead-Fi Meetで発表された、Frank Cooter’sのヘッドホンアンプ。ハードウッド&銅製のシャーシにPoint-to-Point配線と、レトロデザインフリーク垂涎のスペックに仕上がっています。

「すごく欲しいけどこんなの販売してないじゃん!」という方へ

スチームパンク&レトロデザインを愛してやまないビルダーたちの素晴らしい作品の数々は大抵の場合すでに販売していません。というのも、スチームパンクやレトロなデザインの製品は製造コストが非常に高く大量生産も難しい為、Moth Audioの様に生産終了となり希少価値が出てしまう事や、自動車などのレストアの様にワンオフで作っている事がほとんどなのです。また、Frank Cooter’sなどの様に現在も販売されているとしても日本国内から購入するのはなかなか難しいのが現状です。

それならばいっそ作ってしまうのはいかがでしょうか?

こちらは米国ベインブリッジアイランドのオーディオメーカー、Bottlehead製のS.E.X.(Single-Ended Experimenter’s kit)というD.I.Y.オーディオキットです。組み上げるにはある程度の電子回路の知識が必要ですが、この様にキット販売されているものであればeBayなどでなんとか購入する事ができます。自分で製作するオーディオアンプ、思い入れも一入のはずです。オーディオエレクトロニクスに覚えがある方はぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?

via DIY Audio Blog

Ram's Head
DEEP DIVER編集部の中で最も機材愛が深い男。作曲や編曲などの仕事もしているらしいが本人曰く“新しい機材を使いたいだけ”とのこと。大の犬好きで、猫アレルギー。好きな音楽のジャンルは特にないが、好きなトランスは“Marine Air”だそうだ。編集部にはまだこの男と話が合う者はいない。