川谷絵音の搾りカス「the shes gone」

全然関係ないことでYouTubeを見ていたら突然あなたへのおすすめに現れたこのバンド「the shes gone」(シーズゴーン)。

こんなん川谷絵音が大好きか、お金が大好きかのどっちかじゃん

こんなもんおすすめしてくんなYouTube。

しかも演奏も歌唱力もメロディーセンスもアレンジも何もかもが凡人のそれ。超が付く天才川谷絵音とは比べ物にならない。顔はちょっと似てる。

まったく興味湧かなかったのであまり詳しく調べていませんがRO JACKの優勝バンドらしい。わけわかんない。パノパナとか東京カランコロンとかたくさんの素晴らしいバンドを世に送り出しているRO JACKもこんなん優勝させてるようじゃ先が見えてる。

非常に理解に苦しむことだけど、こんなバンドにもファンがいるわけでこのMVなんてもう36万再生。

誰かまじで突っ込めよ。てか自分たちもわかっててやってんだろ絶対

他の現役のミュージシャンの個性をそのまま間借りして人気になっていく、こんな気持ち悪いことが普通に行われているのは流石に変だろ。

音楽業界や時代の流れを批判することは心底無駄なことだけどコレは流石にひどい。

そして「climbgrow」お前はチバユウスケに謝れ

日本音楽界には生きる伝説が何人かいるが、そのひとりにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)のボーカル、チバユウスケという人物がいる。ミッシェルは2003年に解散しているにも関わらず、いまだにこの人に憧れていたり尊敬していたり、少なからず影響を受けているバンドやボーカルがたくさんいる。

  • a flood of circle(ア・フラッド・オブ・サークル)
  • THE PINBALLS(ザ・ピンボールズ)
  • Large House Satisfaction(ラージ・ハウス・サティスファクション)
  • Yellow Studs(イエロー・スタッズ)
  • The cold tommy(ザ・コールド・トミー)
  • Droog(ドルーグ)

とかが有名どころ。コレでも有名どころ。チバユウスケフリークなバンドは基本あんまり売れない。

同じガレージロックやロックンロールでもオカモトズみたいにミッシェルやブランキーをルーツにせずもっと深いところにリファレンスをもつバンドの方が売れたりする。黒猫チェルシーやら初期のドレスコーズなんかもそうかも。

これはつまり、リスペクトしているものを自分の中で完全に咀嚼して全く新しいものとして打ち出すか、その前の段階でやめて世に出すかの差だと思う。リスナー側からわかりやすい観点だと、影響を受けた先のアーティストが現役か否かってのもあると思う。

それでなぜclimbgrowがチバユウスケに謝らなければいけないのかというと、基本的なアイデアの部分を真似てしまっているから。

climbgrow の「POODLE」は The Birthday の「なぜか今日は」のパクリ

まずはこの曲のイントロを聴いてみて欲しい。ちなみに「climbgrow」でYouTube検索するとトップに出てくるよ。

climbgrow の “POODLE” のイントロに注目

そんでこれがチバユウスケが現在メインでやってるバンド“The Birthday”の「なぜか今日は」という曲。

The Birthday の “なぜか今日は” のイントロに注目

特徴的なブリッジミュートを絡めたコード進行からのアルペジオ、こんな猿真似を平気でできる神経がわからない。ほんとに。

ジャズマスターを腰に構えた立ち姿も倍音豊かな独特のしゃがれ声も時代の流れに抗ってるかのようなバンドの雰囲気も素敵なのに、どうして自分たちの音に誇りを持たないのかがわからない。

この曲なんかはもう“a flood of circle”に影響を受けている感じがある。

climbgrow と a flood of circle の大きな差

フラッドのボーカル佐々木亮介は思いっきりチバユウスケフリークだけど、climbgrowとは何かかが大きく異なる。同じくパクっちゃってるのにも関わらず全然違う。

a flood of circle の “I LOVE YOU” のAメロに注目

チバユウスケ作品の中でもマイナーな曲をパクるあたりもう狙ってんのかメロディーが頭の隅っこに残っちゃってたのか不明なほどのチバユウスケフリークな佐々木氏。白の革ジャンもブラックファルコンもよく似合っているけどこの曲を聴いてみて欲しい。

ROSSO の “星のメロディー” のAメロに注目

一回気が付いてしまえばもう同じメロディーにしか聞こえない。

しかし、もはやこれはこれで割とアリなんじゃないかと思ってしまう。

“I LOVE YOU” はぶっちゃけ曲として秀逸なロックに仕上がっていると思うし、恣意的なものを感じるかといえばそうでもなく、むしろこれこそ「影響を受けた」という表現が適切なのではないかとも思う。何よりも佐々木亮介の個性がはっきりと出ていることが大きいだろう。

話が逸れたけど、何が言いたいかというと

先輩アーティストの影響を受け、それが紡がれていく連鎖は音楽というカルチャーの性質上当たり前のことだけど、

その周期が早すぎたり、自分の色を出さずに世に出すのがよくない

ということ。

現役のアーティストに憧れて曲を作る、そしてそのアーティストから受けた影響をそのままアウトプットするんじゃなく

「憧れたアーティストが憧れたアーティスト」を調べてみたり、そのアーティストの根底にある音楽性のルーツに目を向けたりしないと、パクリの域をなかなか出られない。

「凛として時雨」の完コピバンド「そこに鳴る」が売れてきている現状

ぶっちぎりの独創性。個性の塊。変態テレキャスター。

残響系が流行った頃に一斉を風靡したバンド「凛として時雨」。そのギターのテクニカルで斬新なフレーズの数々は、動画サイトの弾いてみた界隈で圧倒的な人気を誇った。てか普通にその世代の高校生ギタリストはみんな弾いたはず。そんなバンド。

そんなバンドを完コピしたバンドがいた。そう「そこに鳴る」だ。

これちょっと冗談抜きにすごいよねこの完コピ具合。愛を感じるね。

“そこに鳴る” はYouTubeのカバー動画でじわじわ人気になっていったバンドらしい。そしてKEYTALKやNUMBER GIRLが所属するKOGA RECORDSに所属したっぽい。

からの新MV解禁。再生数をどんどん伸ばしている。

すっげえ演奏上手いけどすっげえ凛として時雨。紛れもなくそれ。

もうこれは何らかの形で本家本元にお金が入らないといけないレベル

JA◯RACは音楽教室から金ふんだくってる暇があったらこういうのを取り締まれ。どうやるのかは知らねーけど。

これからの音楽産業を支える未来のミュージシャンの育成を邪魔するくらいだったら、非生産的な猿真似野郎どもがプロのステージに立つのを阻止しろよ。

 

パクリの基準は自分で決める

この記事で挙げたアーティストはほんの一部だし、今の世代になるべく伝わりやすいように選んだので、もっとそこかしこにパクリは溢れている。

そして音楽での “パクリ” の定義は非常に曖昧で個人の感覚によるものが大きい。

Red Hot Chili Peppers のGt.ジョン・フルシアンテは、映画デスノートにも使われた名曲「Dani California」のギターソロがジミ・ヘンドリックスの「Purple Haze」のリフをオマージュしたものだと公言している。

これがパクリなのかオマージュなのかの判断も個人の感覚次第だ。ぜひ一度、自分が聴いている音楽が “ホンモノの音楽” かどうかを考えてみて欲しい。

Lemon714
元は音楽家だったがUADの沼から這い出ることができずにウェブライターへ転向。UKロックとラーガ・ロックを好む非常に口の悪い男。プリングルスハラペーニョオニオンをよく食べている。DEEP DIVERには主にコラムを寄稿しているがその内容が毎度編集部の頭を悩ませている。