私たちがYouTubeなどの動画共有サービス上で、当たり前のように目にしているミュージックビデオ。

映像と音楽が手を取り合ったこの作品達の始まりは、1920年代にみなさんご存知の映画配給会社Warner Bros.の手がけたミュージカルショートフィルムに起因し、本格的にミュージックビデオを作ったのは1960年代、人気の絶頂でテレビの出演依頼が殺到していたロックバンド”ザ・ビートルズ”が、演奏イメージと曲を組み合わせたビデオクリップをテレビ局に送ったことが始まりだと言われています。

その後、ミュージックビデオの世界は年々進化を遂げ、特徴的なダンスやストーリー仕立ての演出で一躍有名になったマイケル・ジャクソンの「スリラー」や、視聴者を混乱させるようなトリッキーな空間で撮影されたジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」など、その世界に浸っているだけで様々な感情を掻き立てられるような作品が数々誕生しました。

ミュージックビデオはもはやプロモーションの域を超え“アート作品”と化した

最早ミュージックビデオとはプロモーション目的にとどまらず、視覚的芸術と聴覚的芸術が手をとって織りなす新時代の複合芸術だとも言えるのではないでしょうか。

今回はそんな数々の芸術作品達の中、ハッとさせられるような発想に「やられた!」と思ってしまうような作品をいくつかご紹介したいと思います。

The White Stripes / Hardest Button To Button

「割り箸で家を建ててみよう!」「東京ドームを貸し切って持久走をしてみよう!」のように、たとえ思いついてもやらないことってありますよね。

なぜ思いついても行動に移さないかというと、労力に見合った結果を期待できないからです。

しかしこのミュージックビデオはかけた労力に見合う、またそれ以上ともいえる洗練された仕上がりとなっています。

Alt-J / Breezeblocks

逆再生。

時間という不変の概念を逆転させることで、一つ一つのアクションが魔法のように見えてくるという撮影技法です。

起承転結が逆転した世界と、Alt-Jの優しく儚いメロディーが心地よく絡み合ったこのミュージックビデオは必見です。

Coldplay / Up&Up

全てのカットが”ありえない”で構成された見事な作品。

コールドプレイの美しく幻想的なサウンドの中、地下鉄のホームを優雅に泳ぐウミガメや海の中を飛ぶ鳥。

最新の技術で撮影された”ありえない”世界は、私たちに見るもの全てが新鮮だった子供時代を思い出させてくます。

忘れかけていた感情に思わず胸が熱くなる素晴らしい芸術作品です。

The Chemical Brothers / Wide Open ft. Beck

同じく最新のCG技術を駆使して製作されたミュージックビデオ。

一曲を通して、日系イギリス人の可憐なダンサーが踊っていくのですが、次第に彼女の肉体が生身でないものへと変化していきます。

ダンス、CG、音楽が絡み合ったこのミュージックビデオは一見の価値ありです。

OK Go / I Won’t Let You Down

ミュージックビデオ界の革命児、”OK Go(オーケー・ゴー)”。

天才的な発想と膨大な制作費のミュージックビデオを数々製作することで有名なこのバンドが、日本を舞台に撮影した作品です。

2000人以上もの出演者による統率された動き、計算しつくされたワンカットでの撮影、冒頭にカメオ出演しているperfumeの3人など見所溢れるこのビデオはまさにエンターテイメントの頂点とも言える仕上がりとなっています。

Wintergatan / Marble Machine

Wintergatanというバンドをご存知でしょうか。

生活雑貨や20以上の楽器を駆使して作曲をするスウェーデン出身の彼らですが、ついに「楽器」を製作してくれました。

2000以上の鉄球と3000以上のパーツによって作られた「マーブル・マシン」は、メンバーが1年以上もの歳月をかけて作り上げた傑作です。

まったく新しいミュージックビデオの形をぜひご覧ください。

Ed Sheeran / “LEGO HOUSE (LEGO VERSION)”

シンガーソングライターの頂点に君臨するエド・シーランが、ハリーポッターシリーズのロン役で有名な俳優を起用した2画面構成のミュージックビデオの”レゴ・バージョン”です。

レゴ・ブロックを使って完璧に再現されたミュージックビデオには、思わず笑みがこぼれてしまうような魅力があります。

Chita
DEEP DIVER編集部の中では珍しい真面目なライター。海外での活動経験を生かして洋楽系の記事を寄稿している。音楽はトロピカルハウスやアシッドジャズなどを好み、海外のカルチャーへの愛と造詣が深い。最近ハマっているのはバチェラー・ジャパンとゲーム・オブ・スローンズ。